家庭用の灯油ボイラーには、直圧式ボイラーと貯湯式ボイラーの2種類があります。
また、その中でも FF式か円筒タイプかに分類されています。
【直圧式ボイラーと貯湯式ボイラー見分け方】
ご自宅のボイラーがどちらのタイプのボイラーなのか、簡単な見分け方を記載します。
直圧式ボイラー:お湯を出した瞬間に燃焼し、未使用時は燃焼しない。
備考:壁掛けボイラーは全て直圧式ボイラーになります。
貯湯式ボイラー:お湯を出し続けると燃焼する。又は未使用でも時間が経つと燃焼する。
判定する時期に注意
*
【FF式ボイラーと煙突式ボイラー見分け方】
FF式ボイラー
ボイラーの上に排気管(直径7cm前後)と給気管(自在に動くジャバラ管)の2本が付いている。
燃焼に必要な空気を外から取り入れ、燃えた排気ガスも外に出す。
外からの空気を使用するため、ホコリなどの影響を受けにくい。
煙突式ボイラー
ボイラーの上の排気管は煙突(直径10cm少々)が1本付いている。
燃焼に必要な空気は室内から取り入れ、燃えた排気ガスは外に出す。
室内の空気を使用するため、衣類の繊維など汚れ含んだ空気を使うのでホコリの影響を受けやすい。
直圧式、貯湯式の特徴(長所・短所)。
*直圧式ボイラー
長所
・使用時だけ燃焼するので、経済的。
・圧力が高いので、2Fへの給湯ができる。またシャワーを高い圧力で使用できる。
・床置き、壁掛けの両方の種類があり、機能も豊富。
短所
・製品価格が貯湯式と比べると割高。
・少量出湯が出来ない
・古い鉄管には使用できない。(貯湯から直圧への交換の際、判断基準になります)
*貯湯式ボイラー
長所
・製品価格が安価である。
・少量出湯でも使用可能。
・缶体貯湯の為、出湯温度が安定(性能の規定量で使用の場合)
短所
・未使用でも燃焼するので燃料の使用量が多くなる。(未使用時、電源を切れば解消)
・直圧式より水圧が低く(シャワー圧も低め)、2Fへの給湯圧が弱くなる。
・連続大出湯(お風呂にお湯を張る時など)すると、温度ムラが出る事がある。
【特徴のまとめ】
直圧ボイラーの場合
シャワー圧高く、また、2階、3階などの高所でも使用可能、また使わない時は作動しないので経済的、ただし価格は貯湯式よりは割高です。
貯湯式の場合
販売価格が直圧式より安いので購入しやすい、シャワーの圧力にさほどこだわりが無く、安定したお湯の供給を望まれている方には最適。
(キロワット(kw/h))、(キロカロリー(kcal/h)
ボイラーの出力とは、お湯を作る能力を数値で表したものです。(追い炊き能力ではありません)
いくら希望にあったボイラーが設置されていても、使用状況にあった能力がなければ、使い勝手が悪くなるものです。こちらは、ボイラーの出力について説明させて頂きます。
各メーカーで出されている家庭用ボイラーの出力数値には若干の開きがありますが、
1、30,000キロカロリー(約3.6kw) 貯湯式に多いです→標準
・メーカーにより違いがあり、だいたい31,000~33、500キロカロリーの範囲の物です。
(カロリーの差が2500キロカロリー程ありますが、体感的違いはあまり感じません。)
・ごく一般的な能力で、4人家族で、集中して使わなければ十分、対応出来ます。
・以前はほとんどが3万キロカロリーが主でした。
2、40,000キロカロリー(約4.6kw) 直圧式に多いです→能力が高い
・メーカーにより違いがあり、だいたい38,700~40,000キロカロリーの範囲の物です。
・出湯能力が高く、2か所、同時にお湯を使うなど、使用頻度の高い家庭向けです、
・20年位前から設置件数が増えてきています。
ボイラー出力の見方 (給湯ボイラー)
・ボイラーの出力(能力)は型式に表わされています
型式の文字の中に、出力カロリー数が表示されている。
・ボイラーの型式は殆どが、最初はローマ字が並び、次に横棒(-)、その次が機能や出力、製造年の目安をローマ字、数字で表されてます。その表示の最初に出てくる数字がカロリー(能力)を表しています。
型式 UKB-NS3○○・・は3万カロリー
型式 OQB-G4○○〇・・は4万カロリー )
と見ていきます。
例1 型式 IB-3865F
「IB-」の次が「3865F」で、最初の数字が「3」なので約3万キロカロリーのボイラーです。
主に追炊き付のボイラーに付いている特徴的な機能を抜粋し記載してます。
【各機能について】
追い炊き機能:浴槽に貯まったお湯が冷えた時に、温め直してくれます。
保温機能:浴槽のお湯が冷えない様に、自動で湯温を保ってくれます。
(メーカーにより違いがあり、3時間内、4時間内など保温の有効時間が決まっています。)
*足し湯機能:浴槽のお湯を使用し減った時に、規定量まで自動でお湯を張ってくれます。
*オート機能:スイッチ一つで浴槽にお湯を張り、希望の量で自動で止まります。
*フルオート機能:オート機能に保温機能と足し湯機能が追加された機能です。
記載以外でも「風呂配管洗浄」「風呂予約」など各メーカーで便利な機能がいろりろ有ります。ホーム
センターなどの給湯コーナーでカタログが戴けますので、ご参照下さい。
「今と同等の物でいい!」「シャワー圧が強くなるようなボイラーがあれば・・」など、家族構
成や年齢層・使用状況により、希望の条件が変わってきます。
同じタイプで交換を考えているなら、メーカー・種類・出力、それぞれを同種で選ぶと、必然
的に同等のボイラーを見つけることができます。
「更に詳しく知りたい」「不便を解決したい」などの考えをお持ちの方は、身近で詳しい人に聞く、ネットで調べるなどの方法もありますが、間違いないのは専門店に相談するのが一番の近道でしょう
専門的視野で判断しますので、不具合や不自由が、案外 容易に改善できる事だったり、新たな解決策が見いだせるかもしれません。
また小さな修理であれば、ボイラーの交換工事の際 同時に直せる場合もありますので、選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか
以上で、ボイラーの種類・特徴について、基本的な事柄の説明をさせていただきました。
ボイラー交換を考えた時 トラブルが起きた時のヒントなど、このページが次の行動への手掛かりになり、少しでもお役に立っていただければ幸いです。
また、普段触れることの無い内容に馴染みづらく、わかりずらい部分もあったと思いますが、最後までお付き合いいただきありがとうございます。